(前提の説明)このブログでの簡易なWAR試算方法

選手の成績データ

「日本プロ野球記録」(2689web.com)に依拠している。

 

WARの試算方法(打者)

(①打撃評価+②走塁評価+③守備評価+④代替水準対比価値)÷⑤Runs Per Winにより算出。具体的には、デルタ社のホームページの説明(Essense of Baseball参照)をもとに次の式により計算した。

①打撃評価

=(wOBA-リーグ平均wOBA)÷1.2×打席数

wOBA={0.692×(四球-敬遠)+0.73×死球+0.966×失策出塁+0.865×単打+1.334×二塁打+1.725×三塁打+2.065×本塁打}÷(打数+四球-敬遠+死球犠飛

なお、データ制約を踏まえ、パークファクター補正は省略している。

②走塁評価

本来、「wSB+UBR」として計算されるべきものであるが、このうちUBRについてはデータ制約を踏まえ、省略している。つまり、盗塁ないし盗塁死に関してのみ評価し、例えば、次打者の単打により一塁走者が一気に三塁まで進んだ、というような盗塁に現れない貢献度は算入していない。

wSB=(盗塁×0.2)-(盗塁死×0.4)-{(リーグ盗塁合計×0.2-リーグ盗塁死合計×0.4)÷(リーグ単打合計+リーグ四球合計-リーグ敬遠合計+リーグ死球合計)}×(単打+四球-敬遠+死球

③守備評価

本来、UZRを算出し、それに守備位置補正をかけることになるが、UZRにかかるデータ制約を踏まえ、守備位置補正(デルタ社の2020年版)のみを用いた。つまり、守備の巧拙は勘案せず、守備位置による貢献度のみが算入されている。
なお、外野手については、データ制約により「右翼・中堅・左翼」の区別が難しいため、一律で「右翼・中堅・左翼」の平均値を採用している。また、シーズン中に複数の守備位置を経験した選手については、計算作業の便宜上、シーズンごとに出場試合数の最も多い守備位置に寄せて評価している。

捕手+18.1
一塁-14.1
二塁+3.4
三塁-4.8
遊撃+10.3
左翼-12.0
中堅+4.2
右翼-5.0
指名打者-15.1

④代替水準対比価値

=(リーグ平均wOBA×(1-0.88))÷1.24打席数

⑤Runs Per Win

=10×√{(リーグ得点合計+リーグ失点合計)÷総イニング数}


WARの試算方法(投手)

={(1.4×リーグ平均失点率-FIP)×投球回÷9}÷Runs Per Win

FIP=(13×被本塁打+3×(与四球-故意四球+与死球)-2×(奪三振+内野フライ))÷投球回+補正値

(補正値は、リーグ全体の防御率 -{被本塁打 ×13 +(与四球 + 与死球 − 敬遠)× 3 − 奪三振 × 2 } ÷ 投球回、ないし簡便法として3.1)

※ FanGraphs社の算出方法を参考として、内野フライはほぼ確実にアウトがとれるため、奪三振と同様、投手の「手柄」に算入。ただし、データ制約を踏まえ、便宜上、内野フライ数は、三振以外に獲得したアウトの7%として計算。

―― 投手についても、パークファクター補正は省略。