提言・藤井黎來投手は支配下登録すべきではないか

ファームの若手では、田中(法)投手の活躍ぶりが話題になっているが、育成選手契約3年目の藤井黎來投手についても、着実に成績が良化しており、「育成契約は3年」という不文律のもとでは最終年らしいが、是非支配下登録してもらいたいと思う。というか、正直、チームとして、可能性のある選手にケチをつけて自由契約にできるだけの余裕があるのかという疑問もある。

登板回数が多くないが、今シーズン、ファームでの防御率は0点台

今シーズン、まだ登板回数が多くないとはいえ、ファームでの防御率は0点台を維持している。その要因として、入団初年から年々、被安打数が減少し、それに伴いイニング当たりに背負う走者数が減少(WHIPの指数が良化)しており(次表のピンク色部分)、また、奪三振率が改善している(次表の水色部分)。やや四死球の数が多めであるが、それでもK/BB(奪三振数÷与四球数)の数値は良化しつつあり、課題のコントロールにも改善がみられる。

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(注)2020年成績は9月5日までの成績。

高校時代は速球派で売っていたとの話もあるが、ファームでの投球内容をデータからみる限り、コントロール改善に優先的に取り組んでいる印象を受ける。今シーズンのファームでの球速について、球団ホームページの情報をもとに整理すると次表のとおり、140キロ代前半というイメージである。

ファームでの成績を鵜呑みにすることはできないとはいえ、例えば9月4日のソフトバンク戦は、デスパイネバレンティンを擁する強力打線相手であり、3回を自責点ゼロにまとめられたのはさすがと言うべきではないか。

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藤井投手の今シーズンの登板実績

カープの藤井投手といえば、藤井黎來投手のほか、藤井皓哉投手もいて、こちらもファームで売り出し中だったりするのでややこしいが、黎來投手については育成契約なので、まずは支配下を勝ち取ることが目標となろう。

球団広報の松本高明さんのブログでも、黎來投手への期待が述べられている。藤井黎來投手には、将来、是非、尊敬する先輩として名前のあがった一岡投手や今村投手のような名セットアッパーとなって、チームの投手陣を支えていってもらいたいものだ。