2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

パ・リーグの剛速球投手に魅せられて――

日本シリーズは、実にあっけなく2年連続で4タテにて終戦となった。報道をみていると、これだけの圧倒的格差は「セ・リーグ全体の問題」とされ、その理由として「パ・リーグはセ・リーグと比べ、投手陣の直球が速い(それに対抗すべく、攻撃陣も振りが鋭く鍛…

ネブラウスカス投手から想うMLBの国際化

カープがドビダス・ネブラウスカス投手を獲得した。リトアニア出身として初のMLB選手であり、かつ初のNPB選手となる。150キロ台の速球派投手として紹介されることが多いが、動画サイトの映像をみる限り、NPBではパワーカーブやカットボールを多投すると効果…

「ムエンゴ」先発投手たちのエレジー(後編)

前回の記事では、NPB・MLBにおける援護率の分布をみるとともに、「ムエンゴ」に陥りやすい条件について整理した。シリーズ後編の今回は、「ムエンゴ」の投手はどの程度勝ち星を損しているのか、について考察してみたい。 普通に考えると、防御率の優れた投手…

「ムエンゴ」先発投手たちのエレジー(前編)

ムエンゴとは 以前の「沢村賞」に関するシリーズ記事(前編・後編)の中で、先発投手の勝利数は、投球内容の質だけでなく打線の援護に相当程度左右される点に触れた。今回から2回シリーズで、先発投手に対する打線の援護率について考察してみたい。 「なんJ…

インスタを見ただけなのに・・(AAA本塁打王ケビン・クロンがカープに来るのか?)

一部のネット上で「カープが2019年AAAの本塁打王・ケビン・クロン選手(一塁手、26歳)を獲得するのではないか」説が流れている。ついこの風説に触発されてしまい、ただ、いずれにせよ今後、来季に向けた新外国人獲得が取り沙汰されていく可能性があるだろう…

沢村賞Predictorなる計算式を作ってみた件(後編)

前回の記事では、沢村賞の選考要件7項目が実態としてどのように「総合判断」されてきたのか分析し、その結果、選考上、勝利数の多さに特に比重が置かれてきたことを説明した。それでは、こうした選考方法は、MLBのサイヤング賞の選考基準や、セイバーメトリ…

沢村賞Predictorなる計算式を作ってみた件(前編)

2020年の沢村賞は、恐らく中日の大野投手と読売の菅野投手の争いになっていて、カープとはあまり縁のない話題になっているが、パドレスの前田健太投手がサイヤング賞の最終候補者になっていることもあり、そうした関心から、2回シリーズで沢村賞の選考基準に…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件③

前回の記事では、2010年代以降、MLBにおいて先発投手の「100球以内縛り」強化が進み、換言すれば「総ノムスケ化」した結果として、先発投手の投球数についてNPBと異なる傾向をみせつつあることを説明した。それでは、「総ノムスケ化」したMLBでは、救援投手…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件②

前回の記事では、NPBの歴史において、1980年代以降徐々に先発投手の「中6日」制が普及し、2000年代以降主流化したこと、ただ、先発投手の「投球数」については、打者一人あたりに要する投球数が増加した一方、先発投手の投球イニング数が短くなったため、両…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件①

「公務員ノムスケ」説の真偽 「なんJ」などのネット上、野村祐輔投手は「公務員ノムスケ」と称されることがある。「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務」(日本国憲法第15条第2項)といった崇高な意味合いはなく、5回ないし6回まで好投すると早…