2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「小松式ドネーション」への自問自答①

「小松式ドネーション(KD)」とは 「なんJ」などのサイトにおいて、投手のシーズンを通じた勝利への貢献度を示す指標として「小松式ドネーション(KD)」が話題にされることがある。計算式は「KD=(投球回数×3)+(勝利+ホールド+セーブ)×10」というも…

「江夏の21球」を観て

かなり久しぶりにNHKの「江夏の21球」を視聴した。41年前の録画映像なのに、また、結果を知った上で観ているのに、緊迫感がひしひしと伝わってくる。ノーアウト満塁からの佐々木選手に対する、押出しを恐れないかのような際どいコースを突いた投球は圧巻だ。…

中村奨成選手の記録とこれからへの期待

先週末、ファームで首位打者だった中村奨成選手がついに一軍に昇格した。中村選手といえば、(当人としては、高校時代の話は既に終わった出来事としてそっとして欲しいのかもしれないが、それでもやはり)2017年の全国高校野球選手権大会で6本の本塁打を放ち…

33試合連続安打の希少価値

1979年6月6日から7月31日まで、カープの高橋慶彦さんが33試合連続安打という偉業を成し遂げた。これは、未だに破られていない大記録である。 0.2%未満の達成確率 この記録の希少性を試算しながら考えてみよう。 この記録の達成確率は、①打率と1試合中の打数…

野球におけるホームアドバンテージ考・補論(ポストシーズン)

前回の記事で、野球におけるホーム試合での勝率はNPB・MLBとも5割4分程度となっていると述べた。これは、リーグ戦を行うレギュラーシーズンの話であって、ポストシーズンについても当てはまるのだろうか。 日本シリーズでのホーム勝率はレギュラーシーズンと…

野球におけるホームアドバンテージ考

正直、とっくに手垢のついた分析テーマであるが、野球におけるホームアドバンテージについてデータを拾ってみた。 NPBのホームでの勝率はセ・パともに5割4分ほど よく言われているとおり、プロ野球でも、ホームでの勝率はロードよりもやや高めであり、この傾…

たまには脱線:映画の感想(三島由紀夫と東大全共闘)

カープがなかなか勝てないと、つい現実逃避をしたくなり(ブログを書いている時点で既に現実逃避しているわけだが)、野球とは無関係の話題を書いてみたくなった。 極めて唐突であるが、標題の映画の感想をば。 ・三島と全共闘は、実践を伴わない知識主義へ…

ノーヒットノーラン考

前回の記事ではサイクル安打の達成確率について試算したが、今回はノーヒットノーランについて試算を行ってみたい。 ノーヒットノーランというと、カープでは何といっても3度(65年10月2日、68年9月14日、72年4月29日)の実績を誇る外木場義郎さんの名前を思…

サイクル安打考

カープの歴代外国人選手の記録について調べようとデータを振り返っていたら、ふと、直近のサイクル安打の達成者がロサリオ選手(2014年9月2日、対読売)であることに気付いた。今年で70年目を迎える球団史上、サイクル安打の達成者はロサリオ選手を含め、と…

ドラフトは一本釣りか競合覚悟か

カープはルーキーの森下投手が前評判どおり素晴らしい投球をみせている。こういう活躍ぶりをみると、この選手をよくドラフト会議で一本釣りできたものだと思えてしまう。 「一本釣り」ドラ1と「籤競合」ドラ1のパフォーマンス差はあまりない ところで、素朴…

バント考

プロ野球でもバントは有効な作戦? ノーアウト1塁の場面での送りバントをする作戦は、よほど打率の低い打者でない限り生還率(ないし期待得点)が低下するため得策でない、というのはセイバーメトリクス最大の発見の一つといわれている。 一方、長い野球の歴…

ジョンソン投手と雨

ジョンソン投手は雨が苦手? 2016年に沢村賞を受賞したクリス・ジョンソン投手は、いうま でもなくカープの左腕エースであるが、鯉党の間では、時折、 雨天が苦手という声が聞かれる。本記事では、ひとまずその真偽の ほどを調査してみた。 調査方法は、ごく…

(前提の説明)このブログでの簡易なWAR試算方法

選手の成績データ 「日本プロ野球記録」(2689web.com)に依拠している。 WARの試算方法(打者) (①打撃評価+②走塁評価+③守備評価+④代替水準対比価値)÷⑤Runs Per Winにより算出。具体的には、デルタ社のホームページの説明(Essense of Baseball参照)…

季節外れのドラフト談義(セイバーメトリクスを交えて)

この季節にドラフトの話をするのもなんであるが、プロ野球の球団にとって、ドラフトの成否はその後の栄枯盛衰を分ける重要な要素である。だからこそスカウトに力を入れ、また籤運を祈るわけであるが、ドラフトは籤運もさることながら、選手の入団後の成長パ…