2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ドラフト会議のとりあえずの感想

即戦力の投手が一人でも多く欲しい、というチームの切実な課題に応えようとしたドラフト 本日、2020年のドラフト会議が行われ、7名(支配下6名、育成1名)の若鯉たちの交渉権を獲得した。 正直、筆者には、プロ入り前の選手の能力や成長性を正確に分析する能…

稼ぐ力だ!まさと様たら勝ち癖か

カープの2020年シーズンのキャッチフレーズが「たった今このAKAの子舞いたった」という回文だったことに触発され、今回の記事のタイトルは回文にしてみた。 タイトルのとおり、今シーズンのカープはルーキーの森下暢仁(まさと)投手にかなり勝ち星を稼いで…

「一握の砂」に想う、南の夜空に赤く輝くいちばん星

「一握の砂」 本日は、故あって野球とは無縁の話題から入る。 石川啄木の「一握の砂」は故郷愛と悲哀に満ちている。 目の前の菓子皿などをかりかりと噛みてみたくなりぬもどかしきかな 石川啄木は借金癖があったといわれるが、カープも「借金」が続くともど…

「4割打者」絶滅とコロナ禍の特殊なシーズン③

前回の記事では、試合数を大幅に削減して催行した2020年MLBは、確かに打者の成績指標の分散が拡大した点をとらえていうと4割打者出現の好機であったが、好機とは言え、依然として4割打者出現はテールイベントであることや、2020年MLBでは総じて打者不利(投…

「4割打者」絶滅とコロナ禍の特殊なシーズン②

前回の記事では、主にMLBについて「4割打者が約80年にわたって出現しなくなった」こと理由として、①MLBの歴史を通じ、BABIPの分散が安定的に推移しており、すなわち、一定のレンジを超えて、インプレーの打球が安打になる確率を高めることは滅多にないこと、…

「4割打者」絶滅とコロナ禍の特殊なシーズン①

古生物学者であったスティーブン・グールド氏については、以前の記事で触れたとおりであるが、2003年に「4割打者の絶滅と進化の逆説」を副題とする書籍を刊行し、その中で1941年のテッド・ウィリアムズ以降、4割打者が出現しなくなった理由について説を展開…

延長戦の話の延長戦:タイブレーク制では先攻・後攻のどちらが有利か

今回は、これまでの「延長戦では先攻・後攻のどちらが有利か」という話(①・②・③)の「延長戦」として、タイブレーク制下での延長戦において、先攻・後攻のどちらが有利か、筆者なりの推論を述べたい。 タイブレーク制の導入が増えている 日本の高校野球では…

延長戦を巡るミステリー(延長戦は先攻・後攻のどちらが有利か)③

前回の記事では、「延長戦においては先攻・後攻の有利不利はイーブン」との筆者の仮説を前提としつつ、MLBにおいて「延長入り後まもなくは後攻がやや有利で、延長回が長くなるとイーブンになっていく」のは、後攻チームの方が救援投手や代打・代走などの「切…

延長戦を巡るミステリー(延長戦は先攻・後攻のどちらが有利か)②

前回の記事では、「延長戦においては、先攻・後攻のどちらが有利か」という命題に対し、まず、実際のデータをみると、NPBでは延長戦に入ると「よりホーム有利となる」のに対し、MLBでは「ホーム有利が薄れている」ことを紹介した。そして、理屈上、延長戦で…

延長戦を巡るミステリー(延長戦は先攻・後攻のどちらが有利か)①

2020年シーズンのカープは、コロナ禍の中での特殊なシーズンということもあり、残念ながら負けが多いが(涙)、延長戦の挙句の引き分けも多い。そこで、今回から3回シリーズで「延長戦においては、先攻・後攻のどちらが有利か」について推論を述べたい(全体…