カープのオープン戦における勝利貢献度を集計してみた件

本日の記事はごく手短に、カープのオープン戦における勝利貢献度を集計してみた。なお、ここでいう勝利貢献度の算出方法(野手投手)については、以前の記事のとおりである。

オープン戦を通じた打者のMVPは田中選手

打者に関しては、総じて低打率に終わってしまった(オープン戦のチーム打率は12球団最低)が、そうした中、オープン戦の朗報の一つは、田中選手が得点や勝利にしっかり貢献してくれたことである。勝利貢献度ランキングについてみると、田中選手が堂々のチームMVPである。

そして、勝利貢献度ではなく得点貢献度に目を転じると、オープン戦MVPは、石原選手である。プロ入り2年目のプロスペクトは、入団当初、守備面(肩の強さ)が売りと言われていたが、打撃力でも着実にレベルアップしていることがうかがえて、心強い。また、同じく捕手の磯村選手もランクインしており、捕手4人体制という異例の体制で開幕を迎えることになるのも納得である。

さらに、ドラフト6位の新人・矢野選手もランクインし、開幕一軍決定のようである。守備力には折り紙付きで、田中選手の後継者争いも激しさを増してきた。

投手については、集計上、1試合の先発機会を勝利に導いた床田投手がMVP

投球内容でなく勝利への貢献度についてみる(しかも負け試合については負の勝利貢献度がカウントされるため、例えば1勝1敗の場合、貢献度が差し引きゼロに近い数値に仕上がってしまう)、という計算方法の都合上、投手のMVPは1試合の先発機会を見事勝利に導いた床田投手となった。この計算方法では、シーズンを通じた評価としてはやがて均されるのだが、短い期間で区切るとどうしても、僅差での敗戦もありつつ勝利を重ねている状況がうまく評価されにくい嫌味があることは事実だ。大瀬良投手や九里投手の活躍度については、この次に紹介するとおり、試合単位での貢献度を参照することが適当だろう。そのうえで、床田投手については、昨年のキャンプからオープン戦にかけては不安を残す内容だったが、今年は春先から本来の調子で仕上げてきているようだ。また、ドラフト上位の栗林投手、森浦投手、大道投手が揃ってランクインしている。新人に過度な期待は禁物とはいうが、これを機にブルペン陣が一気に充実化することに期待したい。

f:id:carpdaisuki:20210323003726j:plain

カープ・2021年オープン戦を通じた貢献度ランキング

試合ごとに勝利貢献度の最も高かった選手をみると、野手では田中選手が3回、西川選手とクロン選手が2回。投手では九里投手が2回。

また、試合単位で、勝利貢献度の最も高かった選手をみると、次図のとおりである。スポーツナビの「エキサイティング・プレーヤー」とネット民投票で決まる「みんなのMVP」とも比べてみた。

試合単位でみると、野手では、田中選手のほか、西川選手やクロン選手の勝利貢献の高さが分かる。西川選手は心配していないが、クロン選手については、練習熱心で日本野球に溶け込もうと努力しているだけに、いつか野球の神様が微笑んでくれることを祈るばかりだ。

また、投手については、試合単位でみると、さすが大瀬良投手と九里投手の活躍ぶりは盤石である。オープン戦最終戦では野村投手もソフトバンク相手に見事な投球であった。

f:id:carpdaisuki:20210323005124j:plain

カープの2021年オープン戦:各試合で最高勝利貢献度の選手

2021年シーズンにおけるカープの躍進を期待しつつ、開幕を待ちわびている。