聖地・マツダスタジアムの個性を考える②

前回の記事では、各球場のフェンスまでの距離・フェンス高に着目して、球場の「個性」をみてきた。本日も「球場の個性」の話の続きをしたい。 NPBの方が2割5分程度広いファウルゾーン 実は、NPB・MLBの球場の大きな違いとして、ファウルゾーンの広さがあげら…

聖地・マツダスタジアムの個性を考える①

振り返ってみると子どもの頃、各球団が本拠地とする球場の規格には大きなバラツキがあり、その不統一性が得失点数ひいては勝敗に影響し得ることを考えると、なんとおおらかな(悪くいえばルールが大雑把な)競技なのだろうと思ったことがある。ただ、同時に…

DH制導入による試合結果や戦術への影響を考える④

前回記事では、DH制の運用実態について、主に「DH」での先発出場選手をどうするか、という点を分析した。ただ、DH制の影響は、試合前に決する先発出場選手の選択だけでなく、試合中の作戦運用にも影響を及ぼし得る。本日は、この点について整理したい。 DH導…

DH制導入による試合結果や戦術への影響を考える③

前回の記事では、DH制導入による得失点数や守備力への影響について整理した。今回は、DH制を導入しているパ・リーグにおける運用実態についてみてみよう。 DHは半分近くが外国人で、7割超が3~5番の中軸打者 DH制導入(1975年)以降のパ・リーグのDH打者の打…

DH制導入による試合結果や戦術への影響を考える②

前回の記事では、DH制導入を巡る議論を整理した。今回からは、主にDH制導入リーグ(NPBのパ・リーグ、MLBのア・リーグ)と非導入リーグ(セ・リーグ、ナ・リーグ)の比較を通じ、DH制導入による試合結果や戦術への影響について分析していきたい。 DH制を導入…

DH制導入による試合結果や戦術への影響を考える①

年が明けたのに旧年中からの話題でなんなのだが、最近、セ・パ交流戦や日本シリーズでのパ・リーグの優勢が際立ってきている中、セ・リーグでもパのレベルに追いつき追い越すべく、DH制度を導入するべきではないか、という議論が聞かれる。2021年最初のデー…

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます 毎年、年賀状は木版にて作成しており、今年の年賀状は、丑年ということもあり、平安時代の鳥獣戯画をモチーフに神前にて闘牛を楽しむウサギとカエルを木版画にて描いてみた。2021年がコロナ禍を克服し、エキサイティング…

各チーム戦力とドラフト順位について(後編:ドラフト順位別の活躍度分析)

今回の2回シリーズの記事では、選手の勝利貢献度の係数を作成し、それを基に選手のドラフト順位(等)別の活躍度の分析を行っている。前編では、NPBの各チームは、ドラフト順位等別にみたときどのような戦力構成となっているのか、分析した。今回は、少し目…

各チーム戦力とドラフト順位について(前編:チーム戦力のドラフト順位等別分析)

来年のカープに期待を高めていくとき、戦力強化ポイントはと問われると、既存戦力の底上げに期待するほかは、新外国人の獲得とドラフトで獲得した新人選手ということになってしまう。そのように考えたとき、そもそもドラフトで獲得した選手は、ドラフト順位…

クリスマスに敢えて「護摩行」について考えてみた件

いつから護摩行がカープの1月の風物詩になったのか分からないが、少なくともアライさんは2004年から、石原選手も06年から鹿児島市の景福寺や高野山清浄心院で護摩行に臨んでいる。17年からは會澤選手や堂林選手も参加するようになり、野間選手も「場所極秘」…

「GoTo利用者のコロナ発症確率」論文(未査読)から考えるデータ分析における「他山の石」

割と最近、東大などの研究チームが「GoToトラベル利用者の方が、利用しなかった人より新型コロナウィルス感染を疑わせる症状を経験した」との調査論文を公表したことがマスコミ等で話題となった。筆者には、旅行と感染拡大の相関関係の有無は専門外につき分…

河田コーチ復帰に際して、再び送りバントを考えてみる③

前回の記事では、出塁をあまり許してくれない好投手の対戦時であって、打者がバント巧者である場合(さらにその次の打者が投手と好相性で、二塁に進んだ走者の単打での生還率が高い場合)には、送りバントが得点確率を高める可能性があることを説明した。 本…

河田コーチ復帰に際して、再び送りバントを考えてみる②

前回の記事では、送りバントが有効な作戦たり得るための4要素として掲げた「①相手投手から攻撃回中に期待できる出塁者数、②送りバントの巧拙、③二塁から単打で生還できる走力、④リーグ全体としての長打割合」のうち、①について説明した。すなわち、集中打に…

河田コーチ復帰に際して、再び送りバントを考えてみる①

カープに河田コーチが帰ってきた。河田コーチは小技を絡めた攻撃力強化に定評があるだけに、作戦の幅が広がり、一層エキサイティングな野球がみられると思うと、2021年シーズンが楽しみでならない。マスコミでは早速、春季キャンプで全体練習後に個別にバン…

「打順」は(あるべき論はさておき)実態としてどのように運用されてきたか・考

日本の野球ファンは「打順」のあるべき論をよく語りたがる。打順の組み方は監督の采配能力を占う要素として、あるいは各打者の個性を語る材料として話題となりやすい。特にチームの金看板「四番打者」は特別な思いが込められることが多く、なかんずく某在京…

パ・リーグの剛速球投手に魅せられて――

日本シリーズは、実にあっけなく2年連続で4タテにて終戦となった。報道をみていると、これだけの圧倒的格差は「セ・リーグ全体の問題」とされ、その理由として「パ・リーグはセ・リーグと比べ、投手陣の直球が速い(それに対抗すべく、攻撃陣も振りが鋭く鍛…

ネブラウスカス投手から想うMLBの国際化

カープがドビダス・ネブラウスカス投手を獲得した。リトアニア出身として初のMLB選手であり、かつ初のNPB選手となる。150キロ台の速球派投手として紹介されることが多いが、動画サイトの映像をみる限り、NPBではパワーカーブやカットボールを多投すると効果…

「ムエンゴ」先発投手たちのエレジー(後編)

前回の記事では、NPB・MLBにおける援護率の分布をみるとともに、「ムエンゴ」に陥りやすい条件について整理した。シリーズ後編の今回は、「ムエンゴ」の投手はどの程度勝ち星を損しているのか、について考察してみたい。 普通に考えると、防御率の優れた投手…

「ムエンゴ」先発投手たちのエレジー(前編)

ムエンゴとは 以前の「沢村賞」に関するシリーズ記事(前編・後編)の中で、先発投手の勝利数は、投球内容の質だけでなく打線の援護に相当程度左右される点に触れた。今回から2回シリーズで、先発投手に対する打線の援護率について考察してみたい。 「なんJ…

インスタを見ただけなのに・・(AAA本塁打王ケビン・クロンがカープに来るのか?)

一部のネット上で「カープが2019年AAAの本塁打王・ケビン・クロン選手(一塁手、26歳)を獲得するのではないか」説が流れている。ついこの風説に触発されてしまい、ただ、いずれにせよ今後、来季に向けた新外国人獲得が取り沙汰されていく可能性があるだろう…

沢村賞Predictorなる計算式を作ってみた件(後編)

前回の記事では、沢村賞の選考要件7項目が実態としてどのように「総合判断」されてきたのか分析し、その結果、選考上、勝利数の多さに特に比重が置かれてきたことを説明した。それでは、こうした選考方法は、MLBのサイヤング賞の選考基準や、セイバーメトリ…

沢村賞Predictorなる計算式を作ってみた件(前編)

2020年の沢村賞は、恐らく中日の大野投手と読売の菅野投手の争いになっていて、カープとはあまり縁のない話題になっているが、パドレスの前田健太投手がサイヤング賞の最終候補者になっていることもあり、そうした関心から、2回シリーズで沢村賞の選考基準に…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件③

前回の記事では、2010年代以降、MLBにおいて先発投手の「100球以内縛り」強化が進み、換言すれば「総ノムスケ化」した結果として、先発投手の投球数についてNPBと異なる傾向をみせつつあることを説明した。それでは、「総ノムスケ化」したMLBでは、救援投手…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件②

前回の記事では、NPBの歴史において、1980年代以降徐々に先発投手の「中6日」制が普及し、2000年代以降主流化したこと、ただ、先発投手の「投球数」については、打者一人あたりに要する投球数が増加した一方、先発投手の投球イニング数が短くなったため、両…

「公務員ノムスケ」は実は最新のアメリカン・スタンダードだった?説を唱えてみた件①

「公務員ノムスケ」説の真偽 「なんJ」などのネット上、野村祐輔投手は「公務員ノムスケ」と称されることがある。「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務」(日本国憲法第15条第2項)といった崇高な意味合いはなく、5回ないし6回まで好投すると早…

ドラフト会議のとりあえずの感想

即戦力の投手が一人でも多く欲しい、というチームの切実な課題に応えようとしたドラフト 本日、2020年のドラフト会議が行われ、7名(支配下6名、育成1名)の若鯉たちの交渉権を獲得した。 正直、筆者には、プロ入り前の選手の能力や成長性を正確に分析する能…

稼ぐ力だ!まさと様たら勝ち癖か

カープの2020年シーズンのキャッチフレーズが「たった今このAKAの子舞いたった」という回文だったことに触発され、今回の記事のタイトルは回文にしてみた。 タイトルのとおり、今シーズンのカープはルーキーの森下暢仁(まさと)投手にかなり勝ち星を稼いで…

「一握の砂」に想う、南の夜空に赤く輝くいちばん星

「一握の砂」 本日は、故あって野球とは無縁の話題から入る。 石川啄木の「一握の砂」は故郷愛と悲哀に満ちている。 目の前の菓子皿などをかりかりと噛みてみたくなりぬもどかしきかな 石川啄木は借金癖があったといわれるが、カープも「借金」が続くともど…

「4割打者」絶滅とコロナ禍の特殊なシーズン③

前回の記事では、試合数を大幅に削減して催行した2020年MLBは、確かに打者の成績指標の分散が拡大した点をとらえていうと4割打者出現の好機であったが、好機とは言え、依然として4割打者出現はテールイベントであることや、2020年MLBでは総じて打者不利(投…

「4割打者」絶滅とコロナ禍の特殊なシーズン②

前回の記事では、主にMLBについて「4割打者が約80年にわたって出現しなくなった」こと理由として、①MLBの歴史を通じ、BABIPの分散が安定的に推移しており、すなわち、一定のレンジを超えて、インプレーの打球が安打になる確率を高めることは滅多にないこと、…